【終業式】夏学期終業式にあたって


みなさん、こんにちは。
みんなも知っているかと思いますが、昨日、一昨日と、日本人には誇らしく、うれしいニュースが飛び込んできました。今年度のノーベル賞を4人の日本人が受賞しました。物理学賞が3名、化学賞が1名、合計4名が同じ年に受賞するという日本の歴史でも初めてのことです。

ところで、みなさんは、ノーベル賞についてどれくらいのこと知っていますか?
ノーベル賞は、アルフレット・ノーベルという人の遺産をもとに創設された賞なのですが、このアルフレット・ノーベルという人は、いったい何を発明したかを知っていますか?
(多数の生徒が、ダイナマイトとつぶやく。)
(数名の生徒の手があがったので、指名して川口君に回答してもらう)
そうですね。ノーベルは「ダイナマイト」を発明しました。工事現場で岩などを爆破し、作業が安全にいくための道具として最初は利用されていたのですが、次第に戦争の道具として使われるようになってしまいました。そして、自分の本意とか不本意とかに関わらず、ノーベルには軍からの大量のダイナマイトの注文が入り、巨万の富を得ました。そして、ノーベルは、遺言として、自分の遺産を人類の平和と発展のめに貢献した人に贈るようにとし、1901年からノーベル賞が始まりました。

そして、この賞の特徴的なことは、世界に役立っている発明や技術などは、その基礎を築いた人はだれなのかとどんどん遡っていき、初めて考えた人が表彰される、という決まりがあることです。
今回の物理学賞を受賞した南部陽一郎名誉教授の研究は、もう50年以上も前に考えついた理論です。「対称性の破れ」というその理論は、発表当時から専門家からもほとんど注目されなかったそうです。しかし、研究をつづけ近年になってその理論が実証され、今回の受賞に至りました。
また、科学賞を受賞した下村脩名誉教授も、1962年にオワンクラゲから緑色に輝くたんぱく質を初めて発見しました。その後も地道にその研究を続け、今ではがん細胞が広がる過程などを生きた細胞で観察できるようになり、生物学の発展に大きく貢献したことが高く評価されました。はじめて発表したのが1962年なので、実に46年も粘り強く継続してやり続けているということになります。ほんとに、よのなかには、凄い人がいるものですね。

さて、今日は、夏学期の終業式です。みなさん、お疲れさまでした。
クラスに戻って、これから通知表が配られますね。ただ、
成績が少し良かったからといって、有頂天にならないでください。
成績が少し悪かったからといって、落ち込まないでください。
大事なことは、目先の結果に一喜一憂せず、自分の定めた目標に対してこれからも継続してやり続けられることです。

今回ノーベル化学賞を受賞した下村修名誉教授が、新聞でコメントした言葉を紹介します。
『近頃の若い人は、難しいこと、困難なことを避ける傾向があるように思う。難しくてもどんどんやる。困難があっても、それを乗り越えていかないと成就しない。自分が面白いと思うことをやり続け、ギブアップしないで遂げてほしい。』

「継続は力なり」
みなさんもこの言葉の意味を、ぜひ心に留めておいてください。
以上です。


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