校長の管理責任(和田中での服務事故)について


私が校長就任2年目、所属する教員による服務事故が、残念ながら起きてしまいました。校長としては痛恨の極みであり、多くの生徒、保護者の皆さまにご心配、ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

事故は、平成22年1月24日夜に発覚し、翌日、事実確認後、ただちに杉並区教育委員会(以下、区教委)に報告。区教委は同日、東京都教育委員会(以下、都教委)に報告をしました。また、学校運営協議会のメンバーである地域の方々や、保護者の会の役員の方々にも報告を致しました。その後は、区教委の指導の下、事後対応と再発防止に努めました。

翌平成23年1月、都教委より、当該職員の処分が決定致しました。私は、監督責任として、区教委より文書訓告を受けました。

その後、学校では、保護者会を開き、これまでの経緯の説明を行いました。保護者からは、「今まで、隠ぺいをしていたのか」「なぜ、処分に時間がかかったのか」などいった質問が出されました。

「事故後ただちに区教委に報告し、その後は、都教委および区教委の指導に従っており、隠ぺいをした事実は一切ないこと(※1)」「処分までの時間や内容に関しては、学校が決定できるものではないこと(※2)」などを説明しましたが、すぐに納得してもらうことは、難しいことでした。

それでも、保護者の会の役員のみなさんが、説明会に出席できなかった保護者のみなさんに対して、学校の代わりに説明をして下さるなど、学校を陰から支えていただきました。また、地域のみなさんも、常に生徒に声をかけていただき、暖かく見守っていただきました。そして、学校側もそれまで以上に高い規範意識をもって教育活動に取り組むことで、信頼の回復に努めました。

この事故は、携わったものすべての人たちにとって辛いものでした。そして、校長としての責任を感じています。また、教壇に立つ者がいかに規範意識を高く保たねばならないか、また、管理者としていかにして教職員の服務事故を防いだらよいのか、大きな教訓にもなりました。

今後は、このような事故が起きぬように、一層の高い倫理観をもって、教育活動に励んでいきたいと思います。

(※1)東京都教育委員会における教職員の服務規程違反の公表基準では「公表することで生徒が特定できる服務事故に関しては、生徒の人権に配慮し公表を差し控える」としています。
(※2)東京都の教職員に対する人事権、処分権は、すべて東京都教育委員会にあり、服務事故等における処分内容は、すべて東京都教育委員会が行います。