学芸発表会を終えて。感動をありがとう。


「かっこいい!」と思った。
自分たちが持っているすべてを出しきろうとベストを尽くしている君たちの姿をみて、本当にかっこいいと思った。今の時代は、まじめにやることに何か冷めた空気があるのかもしれない。でも、ハンパな姿は決して人の心を打つことはない。本当にかっこいいのは、たとえ上手にできなくても、愚直なまでに真剣に取り組んでいるその姿なのです。

意見発表会。
誰一人として、原稿を「読む」ことはなかったね。昨日の夜は、遅くまで繰り返し練習したことと思う。舞台に立ったら、広いホールと大勢の人に足がすくんだと思う。でも、「読む」のではなく、相手に「伝えたい」という気持ちがあったからこそ、君たちのメッセージは聞いている多くの人の心に響いたのです。700名以上の人の前で意見を発表した経験は何物にもかえがたいものになるはず。これからも、自分の意見を持ちはっきりと主張する、堂々とした人生と歩んでいってほしい。

選択音楽。
さすが、音楽が好きな仲間の集まり。音楽とは、そもそも「音」を「楽」しむと書く。自分たちが楽しんで音を奏(かな)でれば、会場の人たちも楽しい音楽を感じられる。ハンドベルの澄んだ音が響きわたったとたん、会場の雰囲気が変わった。合唱の男子の体を動かすパフォーマンスに、会場の人たちは笑顔になり、君たちに心からの拍手を送ることができた。

ダンス部。
もし、杉並区ダンスコンテスト、略してスギダンの中学生大会があったなら、君たちは間違いなく最優秀賞を獲得していた。そして、全日本ダンスコンテストにコマを進めていたはずだ。あのレベルの発表ができるようになるまで、チームの中では、いろいろな困難や苦労もあったと思う。ダンスが終わって楽屋で君たちが泣いている姿を見て、胸が熱くなった。

吹奏楽部。
今までにいろいろな発表会での演奏を聴いているが、今日は一番よかったと思う。それぞれのパートがしっかりと音を出し、全体としてすごくまとまったサウンドになっていた。マンボのノリと演出は大好きです。また、3年生の連続したソロの演奏は最高。1、2年生も、来年には、3年生のような素晴らしい演奏ができるようになれるといいね。

1年生合唱。
合唱の始まる前に、自分たちが行うクラス紹介。会場の空気を読みなが発表する様子に、すでにただものではない、和田中生らしさを感じた。合唱では、アクセントをつけたりクレッシェンドに気をつけたり、魅力的な合唱になるように努力をしている様子がうかがえた。どのクラスもよくまとまっていて、清々しい歌声と初々しい表情が印象的。これからの君たちの成長が、とても楽しみです。

2年生合唱。
1週間ほど前に2年生のある生徒から「歌詞が難しかったので、自分たちなりに解釈し直して別の歌詞に書き換えて歌ってみた」という話を聞きました。そのためか、2年生のどのクラスも歌詞の意味をしっかりと理解して歌っていて、歌声からは情景が浮かび、曲に生命が吹き込まれているようだった。また、喉から声を出すのではなくて、体全体を楽器にして歌える人が多く、もっとも躍動感のある学年だったと思う。この調子で各クラスが切磋琢磨し、和田中の中核の学年になっていって欲しい。

3年生合唱。
さすがは、和田中の最高学年。どのクラスの合唱も、さすがだった。指揮者のリードとピアノの伴奏も、1、2年生とは一味も、二味も違っていて、発表そのものがエンターテインメントとして完成していた。ソプラノからバスまで、女子と男子の美しいハーモニーは、すでに君たちが大人の入り口に立っていることを感じさせた。金賞、銀賞の順位をつけるのに苦労した、というより、金賞を1クラスにしか上げられないのなら、審査することを放棄したいくらいだった。

最後に。
「嬉しかった」、「悔しかった」、「感激した」、「緊張した」・・・・
今日のそれぞれの想い、それぞれの気持ちをいつまでも大切にしてください。この感激、この瞬間の気持ちを、永遠に自分の宝物として、心の中に留めておいてください。今日、心をひとつにしたクラスの仲間、自分の発表に耳を傾けてくれた全校390名の仲間がひとつになったこの瞬間は、もう二度とはもどっては来ないのだから。
みんなで積んだ努力は、結晶となって、これからもずっと光輝き続けるはずです。

今日は、感動をありがとう。


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