エコプロダクツ2008に参加した2年生のみなさんへ


2年生のみなさん、校外学習であるエコプロダクツ2008への参加、一日お疲れさまでした。東京有明のビックサイトで行われた大規模な展示会に参加し、自分たちの研究を発表したり、企業への質問をしたりすることで、「環境」に対するとてもよい学びの機会になったのではないかと思います。
 
 
みなさんが環境問題を考える際に忘れないで欲しいことは、「いったい誰が、なぜ、自然を破壊し続けてきたのか」ということです。よのなか科NEXTの授業で何度か話したと思いますが、今までは、日本を含めた先進諸国は『成長社会』を歩んできました。その人たちが中心となって、車や家電などの「もの」をつくることで経済を成長させ、そのために、自然を汚染し、破壊し続けてきたのです。
やがて多くの国々が『成長社会』から、「もの」が満ち足りた『成熟社会』を迎えたところで、自然破壊が人間の経済活動にも支障をきたすようになり、今度は環境問題に取り組まざるを得なくなったのです。
そして、今日のビックサイトにあれほどの多くの企業と人たちが集まるのは、「環境問題に、慈善事業としてではなく、企業にとって利益があがるように取り組むにはどうしたらよいか」ということをみんなが真剣に考えているからです。環境問題に取り組むにあたっては、経済の合理性(どのくらいの利益がでるのか考えること)のなかで活動をすることは、とても大きな影響力があるのです。

ただ、みんなが忘れてはならなのは、「環境を守る活動は、経済の合理性のなかので活動する企業に任せておけばよい、というものではない」ということです。環境問題は、わたしたちの生活のすべてに関わる問題です。そしてまた、今後、10年、100年と長い間、対応していかなくてはならない問題なのです。「何を、どう選び、どう使うか、そして、どう処分していくか」こういったひとりひとりの意識の積み重ねが長い時間続くことによって、環境問題は大きく変わってくると思います。
さらに、みなさんが近い将来、環境への知識と配慮を持った社会人として企業活動に参加するのであれば、今の経済合理性とは別の合理性が生み出され、環境問題に対する大きな影響力が出てくると信じています。

今日の君たちの環境問題に対する真剣なまなざしを見て、すでに君たちは、この問題に対する未来の有望な担い手なんだな、と頼もしく思いました。


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