【終業式にて】君たちの日々成長している姿がとてもうれしい。


みなさん、こんにちは。今日はこの場で、みなさんに感謝をしたいと思っています。

私は、この4月から和田中学校の校長になりました。この9か月間、校長という仕事は大変だな、と感じることが何度もありましたが、でも、ここまでやってこられたのは、ここにいる390名のみなさんひとりひとりから、いつも、たくさんのエネルギーをもらうことができたからです。みなさんが日々成長していく姿をみられることは、私にとっては、とてもうれしく、大きな喜びです。

特に、「よのなか科NEXT」の授業では、君たちの成長を感じることができ、とてもうれしいです。

「よのなか科NEXT」では、私がビジネス社会で仕事をしてきた経験をもとにして、君たちが近い将来、必ず壁となってぶち当たるテーマについて考えてもらっています。そして、「社会の本当」を理解してほしいと思い授業をしています。今から、少しずつそういうこと理解していくことで、将来、社会という大海原に出た時でも、その波を必ず乗り越えてゆけることができると信じています。4月から、1年生と2年生には月1回1時間、3年生には隔週の2時間ずつ授業を続けてきました。この秋学期には、中学生が考えるには少し難しいと思いましたが、『命』をテーマに、「生きる」ってどういうこと、また「死ぬ」ってどういうことか、考えてもらいました。

1年生は、「ブタのPちゃん」を題材に、自分たちが飼っていた豚を最後は食べるかどうか、ということを考えてみました。2年生では、杉並区の職員の方にきてもらい、全国で10万匹以上のペットの犬が保健所などで処分されている現状から、自分の家が引越をしてペットが飼えなくなった時にどうするか、ということについて考えてもらいました。そして、3年生は、代理母出産や赤ちゃんポスト、クローン技術の抱える問題を考えながら、最後は胎内記憶の第一人者であるお医者さんに来てもらい、もし君たちが将来結婚をしてその赤ちゃんが障害を抱えていたらどうするのか、というテーマについて考えてきました。みんな、これらの課題に真剣に向き合い、深く考えてくれたと思います。

今日は、その中から、授業の感想として書かれた二人の作文を読んでみたいと思います。まずは、3年の女子の作文です。
「生物は誕生したら、必ず死ぬ。私も、生物のうちの一人だ。私は、誕生した命を決して無駄にしてはいけないと思う。赤ちゃんが欲しくて代理出産をする人もいれば、赤ちゃんポストに赤ちゃんを預ける人もいる。動物を殺す人もいれば、復活を願う人もいる。私は誕生した生物の命を、そのまま受け入れるべきだと思う。せっかく誕生した大切な命。その尊さを理解したうえで、私たちは社会に出るべきだ。そうすれば、命を軽く見る行為や風潮は減るだろうと思う。」
次は、3年の男子の作文です。
「命は大切だな、と改めて感じることができた授業だった。僕たち人間は、牛や豚や魚などを食べて生活をしている。僕たちは、動物の命を”いただいて”いるわけだから、その命に感謝して食べなくてはならないと思う。”いただきます”は、毎日なんとなく言っているけれど、この言葉は、とても重要だと思う。だから、”いただきます”というときは、今、自分のために生かされている命に感謝して、言わなければいけないな、と今日の授業で思うことができた」

この2つの作文だけではなく、みんなひとりひとりが、中学生らしい感性で、素晴らしい作文を書いてくれます。その作文を読むだけでも、胸が熱くなり、感動しています。冒頭に言いましたが、そんな君たちの一生懸命さから、私はたくさんのエネルギーと勇気と感動をもらっているから、今日は、お礼を言いたいのです。ありがとう。

作文のなかにもありましたが、残念ながら、今の社会では、殺人事件がおこったり、命を軽んずる事件が起こったりしています。だからこそ、君たちには、これからも、命の尊さ、生きることについて考えていってほしいと思います。そして、今、自分が生かされていることに感謝して、この一年を振り返ってみてください。もし、感謝する人がいたら、”ありがとう”と言葉に出して伝えてみてください。お互いが尊敬しあい、支えあって、これからも素晴らしい和田中学校をみんなで作っていきましょう。

最後に。1月8日、新しい学期には、また、みんなの元気な姿をみたいと思います。
みんな、よい年を迎えてください。


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カテゴリー: 校長室コラム