【雑感】電車事故に巻き込まれて感じたこと


ゴールデンウィーク明け5月7日のニュースで
「本日、7日午前6時50分ごろ、JR横須賀線の普通列車が、ブレーキの故障をして横浜―新川崎間で停止。故障した列車は高架上で停止し、約2時間半にわたり乗客約3千人が車内に閉じこめられた。この影響は約35万7千人に及び首都圏の大動脈が通勤時間帯に混乱に陥った。」
という報道がされました。

私は、この「故障した列車」に閉じ込められていた3千人のうちの一人でした。
学校への到着が11時過ぎになってしまい、学校の皆様にはご迷惑をおかけしました。

連休明けで休養十分、やる気も満々だった矢先の事故で
出鼻をくじかれた格好にはなりましたが、
それでも、私にとって今回は貴重な体験となりました。
 
 
今日、私は普段と変わらず、朝6時5分の列車に乗りこみました。
そして、横浜駅を過ぎたあたりで急ブレーキがかかり停車をしました。
ただ、それほど異常な止まり方ではなかったで
乗客の誰もが『すぐに発車するだろう』と思ったはずです。
車内では、車掌から
「お急ぎのところ大変申し訳ありません、
ただ今事故の究明をしておりますのでしばらくお待ちください。」
とのアナウンスがありました。

それ以降は、ずっと
「お急ぎのところ大変申し訳ありません。しばらく、お待ちください」
と繰り返されるだけで、その後2時間以上
乗客に対して事故原因と今後の見通しの情報は伝えられませんでした。

そして、9時10分
「このたび、ブレーキの故障が原因で停車をしておりましたが、
直らないことが判明しました。
これよりお客様を誘導させていただく準備をさせていただきます。」
という、アナウンスがされました。

今ごろになって、あまりにも突然で、またこの程度の情報提供かと
なんともあきれてしまいましたが、
それでも、車内ではようやく安堵に近い溜息がもれました。
私も、先が見えない不安からようやく解放された気がしました。

ところが、9時20分
「この車両は品川まで運転できるという連絡がはいりましたので、
誘導ではいたしません。しばらくしてから発車いたします。」

そして、9時25分に列車が動き出してからは、
「新川崎までは安全のため徐行運転をいたします。
到着までしばらく時間がかかると思います。」
新川崎を過ぎてからも、
「このまま、安全のため徐行運転を続けさせていただきます」
との変更のアナウンス。

結局、品川駅に着いたのは、列車が動いて50分後の10時15分。
「2時間半にわたり閉じ込められた」という報道だったのですが、
実際には、列車が止まってから解放されたのは実に3時間30分後でした。
私を含め、事故が起こる前から乗っていて
4時間以上閉じ込められていた乗客も大勢いたと思います。

何か事故が起こると、事故を起こした立場は
「とりあえず謝罪して」「大袈裟にしない」ことが多いと思います。
ただ、何かの事故に巻き込まれている立場としては、
謝罪の言葉よりも優先して、
なぜ事故が起こったのか、その原因、
今どんな状況になっているのか、現状の報告、
そして、これからの起こりうる可能性について、今後の見通し、
これらの正確ですみやかな情報が欲しいのです。

今回の事故で、そういった情報が伝えられないことへの不安を
痛切に感じました。
また、事故を起こした側は、
情報提供に対する認識が足りないことも感じました。
 
 
私も人の多くの命を預かる立場として
「他山の石」として気を引き締めていきたいと思いました。


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