【第1回 「保護者の会」運営委員会にて】2年目の取り組み


【第1回保護者の会運営委員会にて】
みなさん、こんにちは。
入学式翌日からのあいさつ運動、土曜日寺子屋の運営など、
4月早々から様々な取り組みを行っていただき、
本当にありがとうございます。

私の校長業も2年目を迎え、
今年は、学校の状況をだいぶ俯瞰して見られるようになりました。
昨年は、日々目の前の出来ごとに只ひたすらに対処していた感じだったのですが、
1年間の行事をひととおり経験したことで、和田中の課題なども少しずつ把握でき、
それらの課題について短期的もしくは長期的に取り組んでいきたいと考えています。
 
 
 
さて、私が長期的に取り組んでいきたいと考えていることついてお話させていただきます。

私は、今の生徒たちに生活指導や道徳の授業も含めて
「自分ひとりではない」「他者と関わりながら生きる」
ということを伝えていく必要があるように感じています。

家族がたくさんいてや地域との関係が密着であった昔と比べ、
今は人間関係が希薄になり、
さらに、携帯電話やインターネットの普及によって煩わしい人間関係を
構築しなくても過ごせるようになりました。

確かに、対面コミュニケーションが苦手な生徒も実際に見受けられます。

しかしながら、これからの社会の中で生きていくためには、
様々の価値観の人たちとコミュニケーションし緩やかな関係性を築く力が、
より求められてくると考えています。
 
 
 昨年度「よのなか科NEXT」の授業を、
3年生には、約25回50時間にわたって授業を行いました。

最後の授業では「よのなか科で学んだこと」について書いてもらったところ、
『代理母出産』『赤ちゃんポスト』『出産前検診』といった、
生と死を取り上げた授業をあげた生徒が多く、
論述では私の想像以上に深く考えていることにびっくりしました。

確かに、現代社会では他者との関係性を構築していくことが難しくなっていますが、
子供たちの、その力が決して衰えているのではないと思っています。
むしろ、積極的に題材を与えて考える機会をふやせば、子供たちはどんどんと深く思考し、
「他者との関わりをつくる力」を身につけられると確信しています。

昨年の授業のなかで、
『出産前検診』により「他人の死をどう受けとめるか」を考える授業を行いました。
もちろん事前に産婦人科の医者と綿密に打ち合わせるのですが、
それでも生徒がどこまで理解していけるのか想像ができませんでした。
しかし、授業における人の生や死に対する
“ややこしくも””あまりにも複雑な問題”について
いろいろな他の生徒や大人との深く考えることによって、
自分や自分の周りの関係性を考えるきっかけをつかむことができたと思います。

今年度は、3年生のよのなか科NEXTの1学期には裁判員制度を扱う予定です。
裁判員制度がなぜ今年から導入されたか、社会的な背景から入り、
最後は「安楽死」をテーマにした模擬法廷を行いたいと考えています。

「他者との関わり」を考えながら、「自分の人生をどう生きていくのか」
ということに関心をもって欲しいと思っています。
 
 
 以上、長期的に取り組みたいことのひとつをお話しましたが、
小さなイノベーションを繰り返しながら、
少しでも「和田中学校を世界で一番通いたい学校」に近付けていきたいと思います。

今後とも、本校の教育活動にご理解とご協力、よろしくお願いいたします。


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カテゴリー: 校長室コラム