【夏休みのコラム②】片岡君、さらなる一流のプレヤーに。


本日、埼玉県越谷市で関東中学校卓球大会が行われ、
個人戦に出場した片岡弘紀君が、4回戦を勝ち抜きベスト8に進出。
8月24、25日の全国大会出場権を勝ち取りました。
本当に、おめでとう。
片岡君には、これからも、ただ強いだけのプレーヤーではなく、
一流の品格を持った、ファーストクラス(first class)の
プレーヤーになって欲しいと思います。
 
 
さて、前回のコラムでは、
私が教育事業を立ち上げたことに触れましたが、
リクルート社に在籍した11年間は、
教育事業だけに専念していたわけではありませんでした。
とにかく、たくさんの刺激的な仕事をさせていただき、
数多くの魅力的な方々との出会いがありました。

そのなかでも、
読売巨人軍監督を務めていた長嶋茂雄氏、
福岡ダイエー(現ソフトバンク)ホークス監督を務めていた王貞治氏、
お二人との出会いは、人生観を変えるようなものでした。

仕事も板についてきた入社7年目の1997年当時、
来る2000年のミレニアムイヤーに合わせ
「21世紀への伝説史」というタイトルで
「長嶋茂雄、王貞治が自身の野球人生を振り、21世紀への夢を語る」という内容の
10時間にわたるドキュメンタリー映像作品(DVD+BOOK)を企画しました。
長嶋監督、王監督にも直接会ってプレゼンをし、この企画にご賛同していただき、
それから、約3年間にわたってご一緒に仕事をさせていただきました。

さらに、2000年のプロ野球シーズンは、
巨人長嶋茂雄、ダイエー王貞治の両監督がそれぞれリーグ優勝を果たし、
プロ野球ファンの悲願であったON日本シリーズが実現。
この作品もその熱狂にあおられるようにマスコミ各社に取り上げられ、
当時のビデオ売上本数のスポーツ部門での新記録をつくりました。
そして、何よりも、長嶋監督、王監督から
「がんばった甲斐があったね。」
「いい作品ができて本当によかったね。」
と声をかけていただいた感激は、今でも忘れることができません。

その当時、「長嶋さんや王さんって、『オーラが』出ているの?」
とよく聞かれました。
私は、非科学的なものを信じるタイプの人間ではないのですが、
ただ、長嶋監督、王監督のそばにいるだけで、
何かに感染したような感覚に陥りました。

つまり、
長嶋監督と話していると、
自分のしゃべり方までが長嶋さん風になって、ついつい明るく振舞ってしまう。
王監督と話していると、
王さんみたいに誰とでも暖かく、そして優しく接したいという気分になる。

王監督

(王監督とお寿司屋さんで)

「オーラがある人」のことを、
決して近寄りがたいという雰囲気ではなく
誰にでもあいさつをする礼節や謙虚さ、
誰にも負けない情熱や執着心、
誰かを感動させてしまうような感染力、
そして「一流の品格」を兼ねそねえている人のこというのであれば
間違いなく、お二人にはスゴイオーラがありました。

この作品を制作する過程でも、
野球界に留まらず、映像、音楽、芸能、ビジネス、
様々な業界の方々とお会いしましたが、
その人が有名か無名かを問わず、
そういったオーラを感じる方々に数多く出合うことができました。

『Do your best,and it must be first class』

「最善を尽くし、そして一流であれ」
これは、アメリカの宣教師であり、
アメリカンフットボールを日本に伝えたポール・ラッシュ博士の言葉ですが、
私が大切にしている言葉の一つです。

「一流の人」、すなわち「ファーストクラス(first class)」とは、
ある特別な能力や地位のある人のことではありません。
ましてや、お金持ちや有名な人のことでもありません。
「一流の人」とは、
「品格(=class)」のある人のことであり、
人に対する礼節や謙虚さ、自分の道への情熱や執着心、
そして、やさしさやいたわりの心を兼ね備えている人のことです。

人は一流を意識し、一流を目指すことで、
常に最善を尽くし、新しい自分を発見しながら、
厳しい自己を確立できるのです。
そして「一流の人」には、
人を勇気づけ、人を支える力を持っています。

私のリクルート社に勤務した11年間は
私を成長させてくれた数多くの方々の出会いの期間でした。
特に、長嶋茂雄氏、王貞治氏をはじめとする
一流の方々との出会いは、その後の自分の生き方や価値観
そして、教育観を育みました。

『Do your best ,and it must be first class』[最善を尽くし、そして一流であれ]
私は、今でもこの言葉を大切にしています。
自分のことを、一流などと思ったことはありませんが、
それでも、常に一流の人間でありたいと思っています。
そして、和田中生にも、一流の人間であって欲しいと願い、
この言葉を色紙にしたため、卒業生一人一人に渡すようにしています。

最善を尽くす

 
 
 
 
 
それは、
私が、数多くの人生の先輩方から教えていただいたものを
少しでも、君たちに伝えたいという思いからです。
 
 
 
次回つづく。


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