【保護者の会 運営委員会にて】


朝晩はだいぶ寒くなり、季節の変わり目で体調を崩しやすい時期になりました。保護者の皆様には、お体には十分にお気をつけください。さて、今日は4つほどお話をさせていただきたいと思います。
 
 
1) まずは、新型インフルエンザの状況について。

新型インフルエンザの感染力の強さには、とても驚いています。
 今週に入って3年生はA・D・Eの3クラス、2年生はA・B・Cの全3クラス、1年生はB・Cの2クラスが学級閉鎖になっています。本日3年B組が学級閉鎖になり、今日は通常どおり授業が行われているのは12クラスの中で3クラスという状況です。
 本校では新型インフルエンザに関して、感染者がクラスの生徒数の1割にあたる4名になった場合に4日間の学級閉鎖を行うという基準で対応をしています。「通常」のインフルエンザでは、クラスで6名~8名程度が感染した場合に学級閉鎖となりますが、今回の「新型」は4名ということで、学級閉鎖が明けたとたんに、再び感染が広まって学級閉鎖になるということもあります。
 ただ、今までにない感染力の強いものであり、生徒の健康と命には代えられないという判断でこのように対応しておりますのでご了承ください。もし学級閉鎖になりましたら外出を控え、自宅での療養および自己学習に努めていただきたいと思います。
 念のためですが、和田中学校では年度当初より文部科学省の定められた以上の授業時間を確保しています。現時点での学級閉鎖の状況であれば、今後、授業時間を確保するために、土曜日や長期休日に登校する、などという状況にはありませんので、ご承知おきください。

2) 平成21年度 学芸発表会について。
 新型インフルエンザでの学級閉鎖の影響を受け、
10日後に迫った11月2日の学芸発表会が切迫したものになっています。
 大会に向けた運営の準備もさることながら、各クラスの合唱発表の仕上がり状態も、まだまだ「和田中レベル」に達していないのが現状です。合唱コンクールが近づくにつれ、生徒たちは自主的に朝、昼休み、放課後の練習を繰り返し、優勝を目指してかなりヒートアップします。学級閉鎖が長く続いてしまったクラスには、あせりなどが感じられますが、ピアノを使った練習回数は公平に行うなどの対応をし、限られた環境のなかで、お互いが精いっぱいの大会を迎えられるように準備を進めています。
 この逆境の中、あと10日あまりで各クラスがどう仕上げてくるのか、担任の先生方の腕の見せどころでもあり、私は逆に楽しみにしています。

保護者の皆様には、当日はぜひ「和田中レベル」を体感していただきたいと思います。また、会場のお手伝いや、保護者の会で合唱の発表といろいろとご協力をいただきますが、よろしくお願いいたします。

3) 今後の「よのなか科NEXT」について。
 今月の3年生の「よのなか科NEXT」は、『芸術の秋シリーズ』と銘打って、一流の芸術家に来ていただいて授業をしています。
 少し専門的な話になりますが、平成24年度から完全移行する新しい学習指導要領では、国語だけではない、様々な教科での”ことばによる表現力の強化”に取り組むことになっています。『芸術の秋シリーズ』では、その新学習指導要領を先取りした形で授業を進行しています。

 たとえば、第1回目は、「音楽と芸術」ということで、作曲家、冨田勲さんに登壇していただき、
生徒には「ある小説を題材にして冨田さんが作曲した音楽」とだけ伝え、『源氏物語交響曲絵巻』を聴いてもらいました。
 生徒は「日本の古都の小説のイメージ」「優雅で雅な雰囲気」「人が恋い焦がれる感じ」「愛と憎悪が入り乱れている」などと、冨田先生もびっくりの感想がよせられました。
 第2回目は「絵画と芸術」。漫画家、手塚治虫さんの生誕80周年を記念し、冨田さんのサラウンド・サウンドでリメイクした「ジャングル大帝交響曲」を聴き、そこからどんな風景を思い描くかという課題に取り組みました。
 絵本作家、はまのゆかさんを講師に招いて、一流のプロの技も見せてもらいました。生徒の生き生きとした表現力がとても印象的でした。

 そして、来週の第3回目は「書道と芸術」と題し、『天地人』の大河ドラマの題字などでも話題の武田双雲先生を招いて授業を行います。
 「自分を一文字で表すと?」「自分の理想の一文字は?」など、従来の書道の概念を超越した授業になります。

一流の芸術家に出会い、素晴らしい音楽に触れ、素晴らしい絵画を見て、素晴らしい書道を堪能する。こうした授業をつうじ、自分らしく表現する大切さと、自分自身の感性を磨いていって欲しいと思います。
 お時間がある方は、ぜひともご出席ください。

4) 学校希望選択制おける「抽選」実施について。
 ご存じのとおり、杉並区では「魅力ある教育活動の実現と開かれた学校づくり」を目指して
「学校希望制度」を実施しております。
 この制度の下、私たちは様々な特色ある教育活動を実施し、地域のみなさんとともに魅力ある学校づくりに励んできました。おかげさまで、この制度を利用した『隣接』学区域からの入学者も増え、生徒数は7年前の倍近い400名を超えるまでになりました。

 その中で、今年度は和田中学校の入学希望者に対して「抽選」が行われるとの連絡が
教育委員会学務課から入りました。
 この制度が始まって以来、和田中学校には教室数等の受け入れ態勢が十分であるという理由から「抽選」が行われることはありませんでした。今年度においても、卒業するクラス数が5クラスあることから、入学は希望者全員ができるものと理解していました。
 しかし、先週の13日(火)になって、「『隣接』学区の入学者が和田中学区の入学者より多くなってはいけない」という、今まで説明を受けていない理由をもとに「抽選」を行うことが伝えられました。そして、翌14日(水)には、『隣接』学区から入学を希望する133名の児童の中で120名を当選とし13名を落選とする抽選会の通知が郵送されました。
 今年度は過去最高となる133名の児童のみなさんが、『隣接』学区から和田中への入学をご希望していただきました。多くの方々が、学校説明会や部活動体験を通じて和田中学校の魅力を感じていただき、子どもどうしも「和田中に来てがんばろうぜ」などと声をかけあい、希望に胸を膨らませていたにも関わらず、その夢や希望をかなえさせてあげられないのは、とても悔しい思いです。

 今回の件に関しては、あくまでも個人的な見解ですが、2つの問題があります。
 ひとつは、教育委員会と学校との連絡が十分にできていないために、重要な案件に関してみなさんにご相談する機会もなく、後追いで報告しなければならないという、手続きの問題。
 そして、もうひとつは、「学校希望制度」の意義に関わる問題です。
 この制度は、もともと、杉並住民や未来の子どもたちのための制度のはずです。それにも関わらず、その制度の実現するめに後からつくられた運用ルールによって、その制度が目指す方向性が歪められ、結果的に子どもたちが犠牲になる。しかも単なる「抽選」という、運、不運によって振り回されるのは大きな問題だと認識しています。
 もし、落選された方が周りにいらっしゃいましたら、私にご連絡をください。
 少なくとも、みなさんのお気持ちや声をお聞きかせください。私に何ができるかはわかりませんが、このような事態を真摯に受け止め、改善に努めていきたいと思っています。

以上です。
今後ともよろしくお願いいたします。


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カテゴリー: 校長室コラム