村上龍氏から現場の先生方へ『自分の人生を楽しむこと』


本日、東京にある専門学校のトークショウで
作家村上龍さんと
その学校の校長先生と鼎談(ていだん)をしてきました。

『サバイバルの時代を生き抜く進路』というテーマで、
今の若者がどうしたらこれからの社会を生き延びていけるのか
ということについて、
400名近く集まった学校現場の先生方と一緒に考えました。

村上龍さん

私は、和田中学校の校長になる前、
自分が起業をした会社で
村上龍さんの書かれた「13歳のハローワーク」の
公式WEBサイトを企画、運営していました。

そのつながりで今回招待され、
約2年ぶりに村上龍さんにお会しました。

一流の作家らしい、
ちょっと違った視点からの見解や
刺激的な言葉が印象的でした。

特に印象に残ったのは、
最後に、私が、
「教育現場に携わる先生方へのメッセージをください」
と振ったところ、
龍さんは

「現場の先生方が、まず自分の人生を充実させ、楽しんで欲しい」

とおっしゃいました。

トークショウの前段では、
「希望」という正体について触れ、
今日より明日がよくなるという期待が「希望」であり、
その意味では、今の社会は「希望」を見出しにくい。
そして、やみくもに「希望を持て」といっても
子どもたちは、それがウソ臭いことも見抜いている。

であるならば、
教育現場にいる先生方が、
自分の人生を充実させ、教員という仕事を楽しみ、
そのうえで、生徒と接することが大事。

子どもたちは、先生が人生を楽しんでいるか、
あるいはつまらない人生を歩んでいるか、
見抜く力を持っている。
そして、人生を楽しんでいるか先生方の姿を見ることで
見出しにくくなった「希望」を見出す可能性があるのではないか
という話でした。

確かに、今の現場で抱えている問題は、
精神論や小手先の教育改革で対応できるものではありません。
でも、国や政府が教育予算を倍増させてくれるのを
私たちは待っているわけにはいきません。

龍さんのご両親が教師であることを引き合いにして、
両親が教師をしていたひと昔より、
今のほうが教師という仕事がいかに大変かを実感しており、
だからこそ、子どもたちにとって

「魅力ある先生であり続けて欲しい」

というメッセージでした。

(続く)


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