【よのなか科】岩崎夏海さんの授業を終えて①


6月23日(木)5・6校時
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントをよんだら」
の著者、作家岩崎夏海さんをお招きして、
「もしよのなか科の授業で中学生がドラッカーのマネジメントを学んだら」
という授業を3年生に行いました。

岩崎氏110623

何の面識もない岩崎さんに
「ぜひ中学生に向けて授業をしていただけませんか」
とメールをしたのが半年前の1月。
ご多忙のなか、打ち合わせのお時間をいただき、
その後もメールを交換しながら授業の内容を詰めてきました。

今までにも数多くのゲストの方々と打ち合わせをしてきましたが、
これほどまでに、授業の内容や進行にこだわり、
生徒への質問の言葉にまで気にかける
ゲスト講師の方はいませんでした。
「やるからには最高の授業をしたい」
エンターテインメントの世界で生き抜いてきた
プライドと情熱を感じました。

結果的に映画「もしドラ」の公開にあわせたようなタイミングで
岩崎さんをお招きできたことを大変嬉しく思います。

授業が始まると、
早速、生徒から岩崎さんへの質問が相次ぎました。
『この小説を書いたきっかけは何ですか?』
『「もしドラ」は、峰岸みなみのために書いたと聞いていますが、
映画「もしドラ」もしでは、なぜ前田敦子が主人公なのですか?』
『中高学生に向けて書かれているにも関わらず、
「イノベーション」や「マーケティング」などの難しい言葉が多いのでは』
などなど。
岩崎さんはそれらの質問に対して
ストレートな言葉で、丁寧に回答してくださいました。

岩崎氏110623

そして、いよいよ授業の本題です。
ドラッカーの『マネジメント』で書いてあることを
主人公のみなみがそのまま鵜呑みにし、
夕紀に向かって「野球部の定義」を聞く
「もしドラ」の冒頭のシーンを紹介し、

『自分の師が言うことを、丸飲みして行動する』
態度に賛成か反対かという議論を展開しました。

グループと全体で議論が交わされた後、
この質問に関する岩崎さんの解説。
「結論から言うと、
『師』の言うことを丸飲みする態度をもって欲しい」

「ドラッカーの教えを鵜呑みにしたことで
みなみの成長があったように
自分が師と仰いだ人の言うことは、
虚心に真摯に聞く態度をもつことで、
人間としての成長につながっていく。
たとえば、
イノベーションやマーケティングなどの難しい言葉も
丸飲みすることで、いつか理解できるようになる」
と。

生徒からの
「丸飲みすると師のコピーになってしまう」
という意見に対しては、
「個性とかオリジナリティーは初めから求めるものではなく、
コピーをする意思をもってしても、全く同じにはならず
結果としてオリジナリティーあふれる本物になっていくもの」
だそうです。

岩崎氏110623

たしかに、AKB48は、
30年前の「おにゃん子クラブ」のそっくりのコピーなのに
秋元康さんを師と仰いだ岩崎さんの手によって
おにゃん子クラブとは違う、オリジナリティーあふれる
アイドルグループになってますよね。

(次回へ続く)


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