懐かしい訪問者、来る。


「先生、負けちゃいました!」

突然大きな声で、校長室に入ってきたのは、
3年前の卒業生でした。

彼は野球部のエースとして活躍し、
その後は千葉県の野球の名門高校へ進学。
3年生となった最後の夏、甲子園を目指し、
千葉大会準決勝まで進んでいました。

しかし、昨日の準決勝で敗退。

野球部も休みとなり、
早速、今日挨拶に来てくれました。

3年前、
彼が投げていた佼成学園との試合、
安蔵君が2塁打を打って、
彼が一塁から一気に同点のホームイン。
さらに、延長戦では小松君が打って
またまた彼が3塁から強行に突っ込んで
間一髪、セーフ!サヨナラ!
ゲームセット!!

あの試合のことを私が鮮明に覚えていることを話すと、
彼もあの試合のことは忘れられないようで、

「小松、よく打ったよな!?」
「いや、その前に塩沢も凄かった!?」

突然、3年前の試合後の興奮状態に
タイムスリップしてしまったようでした。

当時の野球部員は、
その多くが高校でも野球部に入り、
今年は、予選大会での活躍が期待されていました。
新聞紙面で彼らの名前を目にするたびに
とても懐かしく思っていました。

「3人の投手を束ねる安蔵の強肩、強打がカギになる」・・・
「低めの球に強い本郷のバッティングに注目」・・・

最後まで、甲子園への可能性を残していた彼も、
昨日破れてしまい、甲子園には誰も行けませんでした。

でも、彼は、本当にやりきった表情で
清々しく、こう言いました。

「もう、完全燃焼です。」
「悔いはありません。」

充実した3年間の高校生活だったんだね。
ご苦労さん、春原君。

野球の生活が終わっても
これからの長い人生、
まだまだ、応援しています。


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