【朝礼にて】震災後、半年が経過して


おはようございます。

あの3月11日の東日本大震災からちょうど半年がたち、
日本列島は、東に2メートル43センチも移動し、
地球の自転も1000万分の16秒早まったと、
アメリカの研究機関から発表されています。
死者、行方不明者は、2万人近くにもおよび、
東京電力の損害賠償額は最悪の場合、
約10兆円に上る可能性があるそうです。

私たちがかつて経験したことのない
この震災から復興していくためには、
十年、二十年・・・と長い時間がかかります。

だからこそ、この震災が起こったこの年に、
君たちが、どんなことを感じ、考えたのか、
記憶しておくことは、とても大事だと思っています。

先週の金曜日には、
3年生の意見発表会が行なわれましたが、
震災について触れている人も何人かいました。
その中で、
自分の父親が交通事故で突然亡くなった経験をもとに
今回、自分と同じような悲しみを味わった人が、
いったい何人いるのだろう、
それを想像するだけでも心が痛み、
そして、この経験を忘れないように
自分たちの次の世代にも伝えきたい。
と発表してくれました。

人は「人の痛みを想像できる」生き物です。
たとえば、私達に戦争の経験がなかったとしても
戦争の悲惨さやむごさを想像し、
戦争を二度と繰り返してならないことを、
心に誓うことができると思います。

それと、おなじように、
愛する人が突然いなくなってしまう、という経験がなくても、
そういう経験をした人の心の痛みを、
自分のことのように想像することは、できるはずです。

また、
人は「記憶を風化させてしまう」生き物でもあります。
自分の生活にいつまでも直結している場合は
その記憶は風化しないでしょう。
でも、自分の生活が落ち着いて、他人ごとになると
風化しやすいのかもしれません。

今週の土曜日の学校公開日では、
テレビでもおなじみの田原総一朗さんに来ていただき、
「新しい国を、君たちはどう創っていくのか」というテーマで
この震災での損害の責任(損害賠償)はだれが負うのか?
この国を復興させるためには、
国民の意識は、どう変わっていく必要があるのか?
みんなで、考えてみたいと思います。

そして、今回の被災された方々の痛みを想像し、
その記憶をいつまでも風化させないような
そんな時間にしたいと思います。

今日は以上です。


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