【避難訓練にて】「釜石の奇跡」から学ぶこと


今日の避難訓練では
「釜石の奇跡」についての話をしたいと思います。

みなさんも知っているように、
東日本大震災での死者・行方不明者は
2万人にものぼりました。
岩手県釜石市でも1000人以上の方々が
津波の犠牲になりました。

ところが、小中学生に関していうと
学校にいなかった5人は残念ながら犠牲になってしまいましたが、
学校から避難した小中学生2921人全員が津波から無事逃れ、
生存率は99.8%。
このことが、今「釜石の奇跡」と呼ばれています。

この奇跡は、もちろん偶然に起こったものではありません。
津波が起こった時、日頃の避難訓練で言われていた
三つの行動をとることができたからだ、と言われています。

その三つの行動とは・・・・・

まず、一つめの行動は、「想定にとらわれるな」。

つまり、自然界では想定以上のことが起こる可能性が
あるのだからから、その場に応じた臨機応変の判断が必要だ、
ということです。
指定されていた避難場所についた男子中学生は
「後ろを見ると崖が崩れ始めていた。それを見て、
ここも危ないかも知れないと、もう一段高いところに逃げた」
そうです。

二つめは、「最善を尽くせ」。

どんなに厳しい状況になっても、
最後まで諦めないで全力を出し切る、ことです。

最後の三つめは、「率先避難者たれ」。

自分たちが必死で逃げる姿を見せ、
周囲の人たちに警告を発しろ、という意味です。
中学の女子生徒たちは逃げる途中で、
前を行く保育園の子供たちと出合いました。
3、4人の先生が必死で子供たちの手を引っ張って
引率していましたが、
生徒たちは「これでは間に合わない」と思い、
みんなで手分けして子どもたちを抱きかかえ
一緒に逃げたのです。

釜石の奇跡を生んだこれらの3つの行動は、
とても大事なことだと思います。
そして、もっと大事なことは、
避難訓練をひとり一人が毎回真剣に取り組んでいたことで
この「釜石の奇跡」が起こった、という事実です。

一回一回の訓練を和田中学校でも大切に、
そして真剣に取り組んでいきたいものです。

今日の避難訓練は以上です。


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