【保護者の会 運営委員会にて】6つのご報告


保護者のみなさん、こんにちは。
日頃より本校の教育活動にご理解、ご協力をいただき誠にありがとうございます。
前回の運営委員会から少し間がありましたので、少し長時間になりますが、今日は6つほどお話をしたいと思います。

1)まずは、嬉しいご報告から。

卓球部2年生の片岡弘紀君が、この夏、見事全国大会に出場という快挙を成し遂げました。片岡君は東京都大会個人戦で優勝。関東大会でも強豪選手を次々に破りベスト8。8月22日から北九州市で行われた全国中学校卓球大会に出場しました。初戦の相手は、福原愛さんなど卓球の一流選手が卒業した「青森山田」の選手で、ちょっとくじ運がなかったかもしれません。初戦突破はできませんでしたが、ここまで勝ち上がった片岡君の努力を称え今後の更なる飛躍を期待したいと思います。私が片岡君を見ていて「凄いな」と思うのは、東京都大会で優勝し、閉会式が終わった夜にも、その喜びに浸ることもなく次の大会に向けて練習に向かうなど、卓球に本当にひた向きに取り組んでいることです。そして、私が何よりうれしいのは、片岡君の取り組み姿勢を見て、他の生徒も「自分ももっとできるはずだ」と刺激をうけ、お互いに切磋琢磨を始めたことです。

もちろん、片岡君のだけの刺激ではないのですが、この夏、どの部活動も最後までベストを尽くしたと思います。男女卓球部は、東京都大会にアベック出場。残念ながら春季大会と同様に関東大会への出場はなりませんでしたが、一人一人の個性溢れる全力プレーが光りました。剣道部は1年生の時からレギュラーとして出場していた選手が多く、関東大会への期待が高かったのですが、わずかな差で勝利することができませんでした。ただ最後の一本まであきらめない闘志は感動的でした。女子テニス部はテニスの聖地有明の森テニス場で都大会を行い、私立の強豪校相手に一歩も譲らず善戦しました。男女バスケ部はともに杉並区の決勝リーグ戦に出場。男女とも3位の結果でしたが、選手とベンチ、応援団が一体となって最後まで全力を尽くした見事な試合でした。

私は、時間の許す限り試合を観戦し、生徒の最後まであきらめない姿、そして、全力を尽くし、それでも試合に敗れてしまい涙する姿、そのすべてをしっかりと目に焼きつけました。この夏で、彼らは、ひと回りもふた回りまわりも大きくなったのではないかと思っています。

2) もうひとつ、嬉しいご報告です。

『中学生の主張・東京大会』が九月十三日(日)都民ホールで行われ、応募総数4105名の中から選ばれた10名が東京代表として発表をし、3年生の水上朋子さんが第2位にあたる「心の東京革命推進協議会・会長賞」を受賞しました。水上さんの題名は「言葉で伝える大切さ」。お盆になると自分の実家に集まる多くの人とのふれあいの中で、気持ちだけではなく、勇気を持って言葉に出すことの大切さを経験し、それを中学生らしい素直な視点で語ったものでした。派手さが目立つ発表者もいるなかで、淡々と、そして誠実に話す態度は、とても好感がもてました。発表が終わった後は、会場が大きな拍手で包まれました。

本校でも九月十八日(金)には、各学年代表が2名ずつ、合計6名の代表者が出て「意見発表会」を行いました。事前に行われた各学年での発表会を通じて選ばれた代表だけあって、6人の発表はとても堂々したものでした。また、内容もさることながら、その話し方や話す態度も含めてとても素晴らしいものだったと思います。『中学生の主張・東京大会』と和田中の「意見発表会」を両方聞いた私の率直な感想ですが、手前味噌ですが、和田中の「意見発表会」のほうが、若干?かなり?レベルが高かったと感じました。

3) 次は、過日発表された第3回の全国学力調査のご報告です。

今回の調査でも和田中生に確かな学力が定着していることがわかりました。実施された数学・国語の試験では、全国および東京都の平均より、約5ポイント~9ポイント高く、全国的な課題とされている「活用する力」もしっかりと身についていることが確かめられました。
さらに、杉並区の学力調査をもとに、和田中全校生徒と杉並区との平均値の比較を、過去6年間にわたって分析してみました。嬉しいことに、過去6年間和田中の学力は右肩あがりに向上しつづけ、今年度は過去最高の数値でした。

このような好結果は、ひとつには本校の先生たちが一丸となり、三年間を見通して意図的、計画的に教育を実践してきた成果だと考えています。授業時間数は他校より4コマ多く確保し、45分のテンポのよい授業を実践してきました。また、毎日の「朝読書」や作文学習、今年度からは新学習指導要領を先取りした新聞記事による授業などにも取り組んできました。
そして、もうひとつの要因として、ご家庭での基本的な生活指導や学習指導がしっかり行われているからだと思います。調査では、生活習慣や学習態度などについても調べていますが、以下の項目は、全国平均より和田中生のほうがかなり高かったものです。
・学校以外の家での1日あたりの勉強時間(2時間以上勉強する生徒が6割)
・家で読書をする時間と一か月で読む本の冊数
・家で学校の授業の予習をしている生徒の割合(全国平均くらべ約2倍)
・新聞やテレビのニュースに関心がある生徒の割合
今後も、保護者のみなさんと力をあわせて、さらなる学力向上に努めていきたいと思います。

4) さて、よのなか科NEXTについてです。

九月十二日(土)には「佐藤真海さん」をゲスト講師に全校「よのなか科NEXT」の授業を行いました。佐藤さんは早稲田大学応援部チアリーダーズで活躍していた2002年に、骨肉腫のため右足膝下を切断、義足の生活になりました。その後、競技生活を開始。走り幅跳びの日本代表選手となり、2008年には北京パラリンピック6位の成績を残しています。 授業では、佐藤さんが「自分の足が突然切断される」という絶望の中から、どうやって今のように元気で明るい自分を取り戻せたのかを話していただきました。佐藤さんは、時々は自殺も考えたことも告白していただきながら「パラリンピックでメダルを獲る」という『夢と出会えた』ことで、絶望の淵から這い上がってこられたという経験を伝えてくださいました。 障害を負いながらも、輝くような笑顔で話す佐藤さんに生徒も何かを感じたと思います。授業後にみんなで書いた「佐藤さんへのメッセージ」には、ひとりひとりのたくさんの思いが込められていました。
九月十五日(水)の3年生の「よのなか科NEXT」の授業には、ゲスト講師に産婦人科医師の池川明先生をお招きし「男女の産み分け」から「出生前検診」の問題にまで触れながら、生まれてくる赤ちゃんの命について考えました。「いのち」を扱う授業を行うときは、私はいつも以上に下調べに迫られるし、授業前は随分と緊張します。1学期には「安楽死」や「模擬裁判」をテーマに「いのち」を扱いましたが、授業を終わったあとは本当に疲れました。生徒も、毎回こんなテーマだとしんどいかもしれませんが、年間の3分の1くらいは「いのち」という、この、あまりにも深くて、やっかいなテーマに向き合って悩み考えていってもらいたいと思っています。
授業では障害者についての理解を深めたあとに、「障害があるか、ないかを、生まれる前に知ることができ、もし赤ちゃんに障害があると分かれば中絶をしますか?」という問題について考えてみました。3年生が授業に真剣に取り組み、他の人の意見を聞きながら、いろいろな角度から考えてくれたことをうれしく思っています。
テレビ取材のためにこの授業を受けた作家の石田衣良さんは「面白い授業でした。生徒のみなさんと真剣に議論をしてとても刺激的でした。今日の授業の中から、次の作品のネタにしたいと思えるような発見もありました」と語ってくださいました。また、和田中学校の印象については「生徒のあいさつが本当に気持ちいいですね。こんな学校がもっと広がって欲しいです」とうれしい評価をいただきました。

ちなみに、石田さんが取材した模様は、TBSの18:40からのTHE・NEWSで、29日(火)に特集として放送される予定です。

5) 生徒会役員選挙についてお話しいたします。

九月十一日(金)、生徒会役員選挙が行われました。今回の選挙は、八月の衆議院議員選挙で使われた本物の記載台や投票箱を使い、実際の選挙とほぼ同じ手順で行いました。これは、政権交代が世の中の関心事である今だからこそ、自分が投じる一票は自分だけのものではなく生徒会全体に関わる大切な1票なのだという意識を持ち、将来成人して選挙権を得た時も、大切な1票を投じて社会に関わって行って欲しいという思いから実施しました。ご協力をいただいた杉並区選挙管理委員会の方からは、「ここまで本格的な生徒会の選挙を手伝うのは初めてで、和田中生の真剣な取り組み態度にびっくりしました」と感想をいただきました。

生徒会役員に立候補した生徒の立会演説会でのスピーチはとても立派でした。それぞれが自分の公約を発表し、なんとかその公約を実現させ、自分が先頭に立って和田中を良くしていくのという姿勢がひしひしと伝わってきました。候補者の一人が言っていました。「和田中学校を世界一の学校にしていきたい」と。聞いている私は、とてもうれしく、誇らしくなりました。そして、3年生から2年生へと、和田中の良き伝統が確かに引き継がれていることを実感しました。

6) 最後に、お礼を。

学校選択制度に伴い、この9月には土曜に1回、夜に4回の学校説明会を実施いたしました。土曜日と夜の5回の説明会で、小学校6年生の保護者約180名参加していただきました。保護者の会の皆様には、毎回受付から後片付けまですべてを運営していただき、誠にありがとうございました。

一人でも多くのみなさんに和田中の取り組みを理解していただきながら、みなさんとともに「和田中学校を世界一の学校にしていきたい」と思います。今後ともよろしくお願いいたします。

以上です。


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