作家の石田衣良さんが取材に来られました


今日の3年生「よのなか科NEXT」では、
「いのち」を考える授業を行いました。

実は、「いのち」を扱う授業を行うときは、
ゲストの先生との打ち合わせをかなり綿密に行い、
いつも以上に下調べをし、授業前は随分と緊張します。

そして、みんながしっかりと理解をしてくれるように
最善を尽くして授業に挑みます。

 1学期には「安楽死」や「模擬裁判」をテーマに「いのち」を扱いました。
全部の授業がこんなテーマだとしんどくて疲れてしまうかもしれませんが、
年間の3分の1くらいのよのなか科では、「いのち」という
この、あまりにも深くて、やっかいなテーマに向き合って
悩み、考えていってもらいたいと思っています。

「出生前検診」に関わる授業は昨年も同様に行いましたが、
昨年の3年生も、真剣に取り組んでくれて、
年度末に書く卒業論文「よのなか科NEXTで学んだこと」では、
この授業のことをあげて書いてくれる生徒が多くいました。

今日の授業では、障害者についての理解を深めたあとに、
「障害があるか、ないかを、生まれる前に知ることができ、
もし赤ちゃんに障害があると分かれば中絶をしますか?」
という質問をしました。

この設問は、人間だれにとってもかなり難しい設問です。
赤ちゃんが生まれてきて、その赤ちゃんに障害があったとして
その家族が幸せかどうかなんて、
誰にもわかることではありません。

また、現実的な問題として
「出生前検査を積極的に勧めず、基本的に
障害を持つ胎児の中絶は認められていない」国と
「出生前検査を義務づけ、基本的に
障害を持つ胎児の中絶は認めてられている」国があり、
どちらの政策がよいのかなんて、
簡単に結論がでるものでもありません。

ただ、自分や家族の幸せを考えながらも
現実社会との結びつきを考えていくことが必要です。

そして、普段は気にすることのない「生きること」について
違った角度で、見つめて欲しいと思います。
 
 
今日もまた、3年生のみんなが
授業に真剣に取り組んでくれたことをとても嬉しく思っています。
みんなの成長する力を信じて、楽しんで授業ができました。
特に苦労をして準備をした分、余計にうれしく思っています。
 
 
取材のためこの授業を受けた作家の石田衣良さんは
「生徒のみなさんと真剣に議論ができて、とても面白かった」
と話してくれました。
第129回直木賞を受賞した『4TEEN フォーティーン』では、
「ウェルナー症」という障害をもつ14歳の少年の姿を描いており、
遺伝子の異常(差異)を扱った今日の授業も何かの縁かなと思います。
石田さんの授業の感想欄には
「今日の授業から、次の作品のネタにしたいと思えるような発見もありました」
とあり、これからの石田さんの作品にも繋がっていくのであれば
これもまた、うれしいことです。

石田衣

授業後、校長室で石田さんと対談を行いました。
和田中の印象については
「生徒のあいさつが本当に気持ちいいですね。
こんな学校がもっと広がって欲しいです」と話していただきました。

ちなみに、石田さんが和田中を取材した模様は
TBSの18:00からのニュース番組で、
29日(火)に特集として放送される予定です。


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