ぼくらの民主主義!?②


17日、橋本市長が掲げた「大阪都構想」に対する住民投票が行われ、反対が多数となり廃案になりました。

都構想についての是非を、ここでは論じません。ただ、報道を見る限り「橋本市長が嫌い、だから反対」という層が一定程度いて、選挙の結果に少なからず影響を与えたように思います。

話しは少し変わりますが、武内小学校では、オランダの市民教育である「ピースフルスクールプログラム」を取り入れ、私が教壇に立ち、各学年で月一回の授業を行っています。先週は、小学一年生に対して初めての授業を行いました。

1回目の授業のテーマは、「意見が違ってもおともだち」。

まずは、「意見」とは自分の考えていることや思っていること。「賛成」とは、人の考えと同じこと。「反対」とは人の考えと違うこと。この3つを教えます。

つぎに、たとえば「昼休みには、ドッジボール遊びがいい」というだれかの意見に、賛成か反対かを聞き、二つに分かれます。そして、最後に「賛成の人と反対の人とは友だちですか?」と聞きます。

すると、最初のうちは、子どもたちは「意見が違ったら、友だちじゃない」と応えます。ところが、いろいろな意見に対して、さっきは賛成だった友だちが、今度は反対になってしまうと、友だち関係と意見との違いとは関係が無いのだということを体験します。

「意見が違ってもおともだち」ということを理解している集団では、お互いが自分の言いたいことを伝え合い、安心して議論することができます。

逆に、「友だちではないので、反対」。「友だちなので、賛成」。こういう集団では、自由な議論が起こりません。健全な民主主義の成立した社会では、友だち関係が崩れるから意見を言わない、ということはないし、たとえ相手が嫌いであろうが、その意見については、しっかりとした聞く耳を持たなければなりません。

はたして、この国の民主主義はどこまで成熟しているのだろう。

 


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カテゴリー: コラム, 多事争論