僕らの民主主義「18歳選挙権」


6月17日、選挙権年齢を「18歳以上」へと引き下げる公職選挙法の改正案が可決・成立しました。これで、来年夏に予定されている参院選では、18歳、19歳の若者たちが投票が出来ようになります。
「未熟な高校生の参加で、日本の民主主義が崩壊する」といった意見もあります。

しかし、私はこの法案が成立したことで、器が人間をつくるように、投票権が高校生を大人にしていくと考えています。

実は、教育現場では、こうした流れを予見して、準備を始めているところも多いと思います。平成25年度から始まった東京都の都立高校推薦入試「集団討論」の問題では、大人でも議論が難しい社会問題が数多く出題されています。その中には「18歳に選挙権を引き下げることについてどう思うか」といった問題もありました。
自治体の選挙間管理委員会から本物の投票箱を借りて模擬投票をしてみるといった授業をやっている高校も少なくありません。
また、私が勤めた和田中学校でも、答えのない社会問題をみんなで考える「よのなか科」という授業をしていましたが、3年生になると大人顔負けの堂々とした議論ができるようになり、授業のたびに感動していたものです。

さらには、グローバル化する社会のなかで、国際標準に合わせるという意識も重要だと思います。選挙権が得られる年齢を18歳かそれ以下としているのは世界の176カ国。国連加盟国が193なので、ほとんどが18歳で投票できることになっているのです。

ただ、課題がないかといったら、そうではありません。
少なくとも投票権という権利がある以上、同等の義務があると考えるべきでしょう。

今の子どもたちには、18歳までによき市民社会の一員になるための準備を、少しづつ始めていってほしいと思います。


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カテゴリー: コラム, 多事争論