【3学年集会にて】今日からの面接練習に備えて


今日から来年1月末にかけて、君たちひとりひとりと、約20分を目安にして面接練習を行います。面接がない人もいるかと思いますが、しっかりとした和田中生として卒業して欲しいので、3年生139名全員に面接練習をしたいと思います。

さて、私はリクルートという会社に勤めていたときに、人事部の仕事として、数多くの大学生に対して面接試験を行なっていました。また、営業の仕事として、いろいろな会社の人事部に訪問して、新入社員や中途社員の面接試験をどうしたらよいか、アドバイスを行っていました。アドバイスしていた会社の数は、200社以上くらいあったと思います。また、リクルートを退職したあとは会社の社長として、社員の採用の責任者として面接をしていました。今日はその時の経験から、君たちに今から気をつけて欲しいことをお話します。

まず、君たちに聞きたいことがあります。
「『たかだか10分くらいの面接試験で、人のことなどわかるわけがない!』と思う人は手をあげてみてください。」
(数名の手が上がる)
「それでは、『たかだか10分くらいの面接試験でも、人柄などが意外とわかるのではないか』と思う人は手をあげてみてください。」
(3分の1くらいの人の手があがる)
ありがとうございました。
たしかに、わずか10分程度では、その人の歩んできた人生のすべてがわかるはずがありませんね。でも、100人とか200人とかではなく、1000人とか2000人とかを相手に面接をしていると、面接を受けている人が思っている以上に、その人の性格や人柄みたいなものが伝わってくるものなのです。

・入室してくるときに、「失礼します」と大きな声で気持ちよくあいさつができる。
・面接の試験に挑むのに適当な服そうや髪型、身なりをしている。
・椅子に着席するときに面接官の目を見て、「お願いします」と言える。
・面接官の質問の内容をよく聞いている、他の人の発言をよく聞いている。
・自分のことは堂々と話すことができる。
・話す時の言葉遣いや姿勢は、礼儀正しい。
・この日のために、しっかりと準備をしてきた。
などなど、入室から退室まで10分ほどの時間でも、実に多くの観点から、その人の人柄みたいなものはわかるものなのです。
ですから、付け焼刃(やきば)の面接練習をしても、面接官には簡単に見破られてします。つまり、今日から、先生や仲間に自然にあいさつをする、授業中にしっかりと自分の意見を話す、人のいうことを聞く、といった基本的なことをしっかりやっていくことが最も有効な面接の練習になるのです。試験までの残された期間、普段の生活においてそういうことを意識をしていってほしいと思います。

そして、そのうえで、私との面接練習に臨むまえに、次の2点をしっかりと準備してきて下さい。
まずひとつ目は、自分の長所、短所を、面接シートに書き込んでください。特に、自分の長所については、自分の今までの中学校生活をしっかりと振り返りってみて、より具体的に考えてみてください。
そして、ふたつ目は、そのシートに従って、誰か他の人(クラスメイト、ご両親、保護者のみなさん、だれでも結構です)に、自分の長所を本当にそう思うか、話しかけてみてください。発表の練習にもなるし、自分のいいところが表現できているかを指摘をしてくれると思います。

『たかだか10分くらいの面接試験で、人のことなどわかるわけがない!』と思う人の気持ちは、よくわかります。実際に「何年いっしょに住んでいてもその人のことがわからない」という話はよく聞きます。ただ、みなさんのこれからの長い人生においては、今度の高校の面接にはじまり、大学の面接、会社の面接、いろいろな面接を受け、人から評価を受けつづけなければなりません。ですから、発想を切り替えて、『たかだか10分くらいの面接試験でも、自分のことをわかってもらう』という積極的な姿勢が大事なのです。そのためには、表面的に取り繕(つくろ)うのではなく、自分自身の中身を高めていくという心構えが大切です。

私も、君たちの面接練習に全力で臨みたいと思います。みなさんも、先ほど言った2つの準備をして、全力で面接の練習に臨んできてください。楽しみにしています。


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