【保護者の会/運営委員会にて】新年のごあいさつ


【保護者の会/運営委員会にて】新年のごあいさつ

あけましておめでとうございます。
保護者のみなさん、本日は寒い中、ご来校いただきましてありがとうございます。
さて、昨年末あたりから世界同時不況に陥り、日本でも派遣労働者のリストラなどのニュースが続いていますが、私の感じていることをお話したいと思います。

私は、最近のいわゆる派遣切りへの大手メディアの報道に対して、ある種の違和感を持って聞いています。私もこの3月末まで会社の社長であったし、私の周りにも会社を経営している友人が多くいるので、会社側を擁護しようというわけではありませんが、立場の弱い労働者が「善」で、解雇した会社が「悪」であるかのような、あまりにも短絡的で一元的な伝え方がされていると思うからです。もちろん、契約違反による派遣切りは許されるものではありませんし、政府のセーフティーネットも早急に整備されるべきだと思います。でも、どちらかがいいか悪いかの選択肢をすればいい時代ではないと思っています。
すでに右肩あがりの成長社会が日本に望めない以上、国民ひとりひとりが、国や政府にすべてを頼らない、会社にすべてを期待しない生き方を意識することも必要だと思うのです。そして、ひとりひとりが力強く生きていく、和田中の学校目標にもある、「自立」して生きていかなければならない時代になったのだと思います。
私は、これからのセーフティーネットとは、失業したらお金を配ることではなく、これからの子供たちへ、未来への意識や知恵を教えていく教育投資こそが、最大のセーフィティーネットになると考えています。

昨日は、3年生への「よのなか科NEXT」の授業では、今の目の前に迫った高校受験をどうとらえ、乗り切っていけばいいかを、みんなで考えてみました。多くの生徒は、この高校受験の意味を
「やりたいことを我慢して、ひとつのことをやり遂げることに意味がある」
「大人の仕掛けた罠に、はまることなく乗り切ることで成長できる」
「死に物狂いでやったことは、これからの人生を生きていくうえで、血や肉となる」
など、この受験を非常にポジティブにとらえていて、大変うれしく思いました。さらに、私の経験から、受験勉強は、社会にでてもとても役に立ち、また、この試練を互いに乗り越えた友は、かけがえのない一生の友だちになれることを、話しました。

世間は暗いニュースにあふれていますが、ぜひ学校現場は、明るい未来に向けて、輝いていたいと思います。本年も、精一杯学校運営に努めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


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カテゴリー: 校長室コラム