【朝礼にて】information(情報)とintelligence(知恵)


おはようございます。

先々週の4月15日から、みなさんの教室には新聞が配られていると思います。
また、先週の21日の火曜日7校時の総合の時間には、
「新聞を読むこと」に関する2人のT社長のインタビュー記事を読んでもらい
1年生から3年生まで全員に課題に取り組んでもらいました。

これを実行したのは、今、学校で学んでいる勉強が、
実は社会で起きていることと密接につながっていることを
意識して欲しいと思ったからです。

よく、「学校で学んでいることは社会に出て役に立たない」という人がいます。
私は、この考え方は大きな誤りだと思っています。
学校で学んでいる、ひとつひとつの『知識』は次第に君たちの頭の中で編集され
君たちが生きていくうえで必要不可欠な『知恵』となっていくからです。

たとえば、
鎌倉幕府ができたのは、1192年
江戸幕府ができたのは、1603年
この年号を覚えることは、無意味なものに思える時があるかも知れません。
でも、鎌倉幕府ができてから江戸幕府ができるまでの約400年の間
武士道と呼ばれる日本人の精神の発展と普及を考えていくためには、
1192年と1603年は、知らなければならない最低限の情報なのです。
君たちが学んでいるひとつひとつの情報や知識が
いろいろなことを考える土台になっていくのです。

先週の火曜日7校時の授業で、
「インターネットと新聞のメディアの特徴の違い」について書くという課題に関して
3年生の一人はこんなふうに書いてくれました。
「インターネットの情報は、無限。でも、ひとつひとつの情報は断片的。
新聞の情報は、有限。でも、読者を意識しひとつひとつ情報が編集されている」
情報というものの本質をとらえた回答だと思います。

英語には、「情報」という意味で2つの単語があります。
Information と intelligence 
(大きな紙に書かれた2つの英語の文字を見せる)
でも、この2つの英語のもつニュアンスや意味合は違います。
Informationは「情報」とか「知識」と訳されるのに対して
Intelligenceは「知恵」と訳されます。
Informationをつなぎあわせ、編集されたものがintelligenceです。
君たちの年齢の時の頭脳は、乾いたスポンジ様に、
いろいろな情報を吸収しやすい状態です。
普段の勉強でInformationを徹底的に頭の中に入れて
新聞を読んだり、世の中のことに興味をもったりしながら
intelligenceに満ちた柔らかい頭脳を作っていってください。

以上です。
 
 
【追伸】
朝礼が終わったあと、朝礼の片づけをしている生徒会の2年生がやってきて
「校長先生、CIAの『I』は、intelligenceですよね。」
と言ってきてくれました。

おーっ、凄い!
そうやって、自分の知っている知識と新しい知識を結びつける力が
まさにintelligenceなのです。
(※intelligenceには、諜報機関という意味があります)


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