【2学期始業式にて】素直な心。


みなさん、おはようございます。

ここから見えるみなさんの顔は、日焼けをして随分とたくましくなったように見えます。
多くの人が充実した夏休みが過ごせたのではないかと思います。

さて、私も夏休みの間、いろいろなことを計画し実行してきました。
本を10冊は読もうと計画しましたが、結局15冊の本を読むことができました。
朝のジョギングをのべ30日間行い、約2キロのダイエットに成功しました。
(おなかのあたりを触る・・・・)

そんな夏休みでしたが、特別に感動したことがひとつありました。
それは、卓球部男子2年の片岡弘紀君が、
男子個人戦で、東京都大会で優勝し、関東大会ではベスト8、
そして北九州市で開かれた全国大会に進んだことです。
機会があって片岡君のすべての試合を観戦しましたが
相手にマッチポイントを握られることがあっても決してあきらめず、
ねばり強く戦い、勝ち抜いていきました。
全国大会では初戦で敗れたものの堂々とした試合でした。

私は、地方大会とは違う独特の雰囲気の漂う全国大会の会場で
片岡君や各地区の代表となって全国大会に出場するような選手は
いったい他の選手といったい何が違うのだろう、とずっと考えていました。

私は、東京大会から片岡君の様子を見ていて、
「何としても勝ちたい」という「情熱」、「願望」、「欲望」
そういったものが、他の人とは明らかに違うと思いました。
片岡君は東京都大会で優勝したその日も、勝利の余韻を味わうこともなく
閉会式が終わって夜の7時を回っていましたが練習場に向かいました。
また、全国大会の前日も他の学校の選手と黙々と練習を続けていました。

そんな時、全国大会での会場で、
元卓球世界チャンピオンの伊藤繁雄さんと話す機会がありました。
伊藤繁雄さんは、1969年の世界選手権ミュンヘン大会で、
日本人で5人目の世界チャンピオンになった方です。
そして、伊藤さんに
「強い選手は、他の選手といったい何が違うのですか」聞いてみました。

伊藤さんはしばらく考え

「素直な心です」

と静かに応えてくれました。
続けて、こう話してくださいました。
「中学生の時の能力は、大人の能力に比べたら、
全体の5~6%くらいしか開花していなんじゃないかと思っています。
残りの可能性を、どうやって開花させていくかが大事で
それには、他の人のいうことを聞ける素直な心を
持っているかどうかが一番大切だと思う」
そして
「その素直な心さえあれば、態度が変わり、
態度が変われば、行動や習慣が変わり
行動や習慣が変われば、最後には人格、
そして人生までも良い方に変わってくるものだ」
ということをおっしゃっていただきました。

世界一になった人の言うことだけに、本当に説得力がありました。
もちろん、私のとなりには片岡君がいたわけですが、
(片岡君だけではもったいない・・・)
みんなにもぜひ、知ってもらいたいと思ったので
この話をしました。

さぁ、いよいよ2学期です。
この2学期には、生徒会の立ち合い演説会や全校での意見発表会、
そして、合唱コンクールなどがあります。
これらの行事すべてに「人の話を聞く」という行為が発生します。
今まで以上に、心の扉を開き「素直な心」で聞いてみたらどうでしょうか?
この人は何を言おうとしているのだろう、
何か自分の成長のためにつながるではないかな
そんなふうに常に思える習慣をつけてください。

ひとりひとりがそう心がけるだけで、
学校全体の雰囲気もかわってくると思います。

2学期は77日。長丁場ですが、
みんなで、楽しい、充実した学期にしていきましょう。

以上です。


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