【入学式にて】独立自尊と自立貢献


新入生のみなさん、入学おめでとう。
本日、我が和田中学校は、
君たち147名の新入生を迎えることができました。
これからの3年間でどんな成長を遂げていくのか、
いまからとても楽しみです。

さて、私は今、新入生が147名と言いました。
この147名という人数は、
和田中学校の1年2年3年の学年の中で、もっとも多い人数です。
また杉並区、23の公立中学校の1年生の中でも、もっとも多い人数です。
君たちの学年は、その人数の多さだけではなく、
ひとりひとりの輝きにおいても、
もっとも輝いている、
最高の学年になっていって欲しいと思います。

さて、中学生になった新入生のみなさんに、
早速ひとつ質問をしたいと思います。
一万円札に描かれている人物はいったいだれか、
知っていますか?

『フクザワユキチです!』

「正解!」そうです、福澤諭吉ですね。
それでは、なぜ日本の最高額紙幣である1万円札に
福澤諭吉が描かれているのでしょうか?

それは・・・・・
今から150年ほど前、
浦賀沖にアメリカから4隻の黒船が来航しました。
その頃、日本はまだ江戸時代で鎖国を続けていました。
いっぽう、アメリカやヨーロッパの国々は
すでに近代国家として歩み始めていて
日本は、そういった国々の植民地になってしまいそうな状況でした。

そこで、「新しい国づくり」に挑んだのが福澤諭吉です。
福澤諭吉は「学問のすすめ」という本を書き
「賢い人と愚かな人の違いは、勉強をしているか、してないかだ」と説き、
勉強をしなさい!
と人々を強烈に叱咤激励しました。
彼の教えは、その後の日本の発展に大きな影響を与え続けました。

今の先進国日本を築いたのは彼の力だと
多くの人が認めているからこそ、
一万円札に描かれているのが、福澤諭吉なのです。

その福澤諭吉がもっとも大切にした言葉として
独立自尊」があります。

これは「ひとりひとりが自分の力で立ち、
自ら尊厳、プライドを持たなければならない」
といった精神のことですが
実は、和田中学校が大事にしている精神も、
この「独立自尊」ととても近いものです。

和田中学校が大事にしている精神とは、
自立貢献」です。

自立とは、
「自分で考える」
「自分で判断をする」
「自分で行動する」
ということから始まります。
そして、貢献とは
「相手の立場になって考える」
「他人へのいたわりや、優しさの心をもつ」
ということから始まります。
たとえば、「気持のよくあいさつする」ということは、
立派な「貢献」です。

今日から中学生になった君たちは、
「大人」の入り口に立っています。
だからこそ、
しっかりと勉強をしなさい!
と叱咤激励したい。
そして、自立貢献の精神で
立派な大人になるための土台を
しっかりと築いていかなくてはならない。

さらには、
これからの新しい和田中学校、
もっと言えば、新しい日本の国づくりに、
君たちが、志を高く持って挑んでいって欲しい。

最後になりましたが、
保護者の皆様、本日はお子さまのご入学おめでとうございます。
心よりお喜び申し上げます。
ここにいる新入生がますます輝き、
もっともっとたくましく成長していけるように、
本校職員一丸となって、教育活動に邁進いたします。

また、ご来賓の皆様、地域の皆様、
本日はご多忙のところご臨席を賜り誠にありがとうごいます。
新入生を含めた和田中生一人一人が
「世界一、通いたい!」と思えるような学校になるように
さらなる前進をしていく所存です。
今後とも、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

新入生のみなさん、後ろを向いてみてください。
今、君たちの後ろにいるのが、2年生、3年生の先輩方です。
1年後、2年後には、今見える立派な先輩になれるように頑張っていこう。
そのために、一日一日を大切にして
みんなと楽しく、充実した中学校生活を送っていきましょう。

平成22年4月7日
杉並区立和田中学校
校長 代田昭久


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