【創立60周年】過去からつながる今、未来へつながる今。①


本日、和田中学校創立60周年という節目にあたり、
この会場にお集まりいただいた多くのみなさま方と
盛大に記念式典を挙行できますことを大変うれしく思います。

さて、今日は式典挙行するにあたり、
本校が創立されたころの様子を思い浮かべてみたいと思います。

今から60年前、1950年ころの日本と言えば、
第2次世界大戦の焼け野原から立ちあがり
国際社会への新たな道を歩み始めていました。
ただ、他の国との戦後処理についての紛糾は続き
特に日本の領土がどこまでかという問題に関しては
修復されることはありませんでした。

今、新聞やテレビで報じられているように
中国との尖閣諸島の問題やロシアとの北方領土問題は
そのころからの問題が未だに解決されることなく、
私たちに大きな影響を与えているのです。

また、今から60年前、
日本は国をあげて教育に力を注ぎ始めました。
資源のない国が世界に対抗していくためには
国民が深い知識と教養を身につけることが必要だったのです。
今年も2名の日本人がノーベル化学賞を受賞しました。
これで2000年以降10年間に10名の日本人が
ノーベル賞を受賞したことになります。
日本が経済大国としての現在の地位を確立できたのは、
勉学に励み、最先端の研究をし続けてきた
多くの先輩方の恩恵に因るものなのです。

私たちは、過去の様々なマイナスの遺産、負債
そして、過去の様々なプラスの遺産、恩恵
そういったものを受け継いでいます。
今の時代だけ、切り離されて生きているのではなく
過去からつながる共同体、
ひとつのコミュニティーの中で生きているのです。

現在の和田中学校は知力や体力、
そしてまた、生徒一人ひとりの輝きにおいても
どこの中学校にも負けない誇り高き学校になることができました。
ただし、それは決して私たちだけのチカラではなく、
多くの先輩たちの努力や
共同体としての地域とのつながりがあったからです。

そして、現在を生きる私たちは、
これからの未来への影響を与える立場にあるのです。

私たちにとって大切なことは、
何か歴史に残るような大きな事をする、というのではなく、
自分たちだけのことを考えるのではなく、
みんなとの繋がりの中で生きている、
という意識をもつこと、
他の人に対して思いやりの心、
いたわりや優しさの気持ちを持つ、
そういった日常のなかの覚悟や心がけこそが
未来に対して責任ある行動につながるのではないかと思います。

(続く)


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