「京大入試問題の投稿事件」に関して思うこと。


京都大学の入試問題を質問サイトに投稿したとして、
昨日5日、仙台市の予備校生が逮捕されました。

その数日前、
昼休みの校長室では、この話題で盛り上がっていました。

「こんな事件があると、
真面目に勉強しているのがいやになるよね!」
「絶対に許せないよ!!」

と怒りを感じている男子生徒もいれば、

「同じハンドルネームで恋愛相談もしてたんでしょ。
頭いいんだか、悪いんだか、分からないよね。」

と犯罪の稚拙さにあきれていたり、

「これ、組織犯罪じゃない。
一人でやったんだと思うよ。一人でできる!」

と持論を展開する女子生徒もいました。

まだその頃は「組織的な犯罪ではないか」
というマスコミの論調だったので、
昨日、単独犯だったということがはじめて報道され、
彼女には凄い洞察力があったな、と感心しています。
とにかく、
このニュースをそれぞれの視点で捉えているのが面白く、
君たちの会話を聞いていました。

ただ、
「勉強しているのがいやになります」
と、怒りが収まらない様子の生徒には、
一言いいました。

「犯罪を憎む気持ちは、とっても大事。
でも、『勉強がいやになる』と思う気持ちの裏側に
『理由を見つけて勉強から逃げたい』という自分がいない?
この事件を勉強しない言い訳に使っちゃだめだよ。
こんな一人の犯罪者にために、
自分が勉強しなくなったら、損だぞ。」
と。

今は、インターネットが政治や経済、社会、
あらゆる分野で猛威をふるっています。
ネットの動きに社会のルールや仕組みがついていけないのが現実です。

インターネットは「両刃の剣」。
便利な時もあれば、禍(わざわい)をもたらす時もあります。
いろいろな情報が簡単に手に入る時代の中で
君たち自身が、
ネットの力をうまく使い、
ネットと上手に共存して生きていていける力を
これから、
しっかりと身につけていって欲しいと思います。


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