【修業式にて】”足るを知る”①


みなさん、こんにちは。
一学期、登校日数73日。

お疲れまでした。

さて私は、先週の週末、宮城県の石巻市に行ってきました。
石巻市は、
今回の震災で最も大きな被害を受けた地区の一つで
死者行方不明者は5800人ほどにのぼっています。

石巻市

その中でも津波の大きな被害を受けた
雄勝(おがつ)中学校を訪問し、
現地の先生や中学生と話をしてきました。

3月11日は大津波が屋上まで押し寄せたために、
校舎や教室、廊下は壊滅的な状況で、
体育館はそっくり流されていました。

雄勝中校舎 - 外観

雄勝中 - 廊下

全校生徒77名は全員無事だったのですが、
しかし、親が行方不明だったり亡くなったりした生徒は、
少なくないそうです。

今は、中学から10キロほど離れた
高校の校舎の4階を間借りして学校生活をしています。

部活動を行う場所も
十分に確保することができません。

そして給食は、ご飯に牛乳。
一品のおかずがつくかどうかです

また、家が流されてしまっている生徒がほとんどなので
家で勉強することができず、
夏休みもずっと学校に来て勉強をするそうです。

そんな状況でも、
雄勝中の生徒のみんなさんは、
とても笑顔で、元気もいっぱいでした。
部活動の練習をしている様子は、
被災地に来ているとは思えないほど
活気のあるものでした。

雄勝中の佐藤校長先生と話しをすると

「震災の前は、いじめやけんかなどもあったんですよ。
でも、今はみんなで力を合わせています。

学校の環境は、決して恵まれているわけではありませんが、
不満を言っている生徒は、一人もいません。
もちろん生徒は、それぞれ深い悲しみを抱えていますが、
それでも、学校では笑顔があふれています。」

と。

雄勝中生の日常に
満ち足りた食料や生活環境が
用意されているわけではありません。
でも、彼らは決してみじめな気持ちで生活しているのではなく、
かえって、私たちより、現状を受け入れ、周りに感謝し
生きているかもしれない、と思いました。

「足るを知る」
と言う言葉があります。

人は、物欲では決して満足ができません。
家族や友人と支え合い、
感謝して生きていくいくことのほうが
はるかに幸せで、
満ち足りた人生なのでしょう。

明日から夏休みです。
ぜひ、普段はできない、時間の使い方をしてみてください。

友達と切磋琢磨し、徹底的に部活動に励む。
家の手伝いを自分から進んでやってみる。
社会のボランティア活動に挑戦してみる。

今までにない心の成長を意識できるかもしれません。

8月30日。
心も体も一回り大きくなった
君たちに会えることを楽しみにしています。


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