【入学式式辞】新入生のみなさん、入学おめでとう


新入生のみなさん、入学おめでとう。

今日、校門の桜が満開に咲き誇るなか、
君たち145名の新入生を迎え入れることができて
とても嬉しく思います。

今、君たちは、
伝統ある和田中生の一員となりましたが、
それと同時に、今、君たちは、
大人の世界の入り口に立っていると思います。

そこで、君たちに質問をします。

大人と子供の違いとは、いったい何でしょうか?
私は、こう考えています。

大人と子供の違いは、
社会の中で「自立」できるかどうかということ。

すなわち、他の人の力を借りずに、
自分の力で生き抜いていくことができるかどうか
もう少し具体的に言えば、
仕事を通じて生活の糧を得る、
つまりお金を稼ぐことができるかどうか。

これが、大人と子供の大きな違いだと思います。

たとえば、アメリカやヨーロッパでは、
赤ちゃんのケアを行うベビーシッターという仕事があります。
このベビーシッターという仕事、
12歳まではベビーシッターからケアを受けますが、逆に
13歳からはベビーシッターとしてアルバイトができるのです。

また、日本でも、
12歳までは働くことは法律で基本的に禁じられていますが、
13歳からは新聞配達のような仕事をすることが認められています。

つまり、小学校6年生と中学校1年生とでは大きな違いがあって
君たちは、もう、大人として認められ始められるのです。

さて、もう一つの大人と子供の大きな違い。

それは、社会に「貢献」できるかどうか、ということ。
つまり、自分の損得だけを考えるのではなく、
相手の立場にたち、相手の身になって、
社会を支える側の立場に立てるかどうか。

これが、大人と子供の違いだと思います。

繰り返します。

大人と子供の違いは、
社会で自立する力、
社会に貢献できる力を、
持っているかどうかです。

君たちは、大人の世界の入り口にたった今だからこそ
この2つの力を身につけていかなくてはならないのです。

そして、まさに、
この「自立」し「貢献」することこそが、
和田中学校の学校目標です。

君たちは、和田中学校に在籍するこれからの3年間、
社会に貢献できる自立した人間になるために、

まずは、毎日、一生懸命、勉強しなくてはならない。
知識や知恵、技術を持たずに通用する世界など、
もうどこにもありません。

そして、集団生活の中では規律を守らなくてはならない。
あいさつ、時間やルールを守れない人は
社会では決して通用ないのです。

また、よのなかで起こっている出来事に興味や関心を持ち、
自分なりに考えて、意見を発信して欲しい。

そうした日常に中で、
自分の将来の夢を育んでいって欲しい。

さて、今の日本の状況は、陸上競技にたとえると
かつては、先頭集団に立って世界を引っ張っていましたが、
今は、周回遅れのランナーです。
時代の大きな変化についていけず、
東日本大震災の復興という重荷も背負って走っています。

でも、私は、再び日本が以前の輝きを取り戻すことは、
可能だと思っています。

それは、私たち日本人一人一人が
厳しくもたくましい自己を確立し、
そして、お互いが優しさやいたわりの心をもって接し合い、
さらに、どうしたら社会全体がよくなるかを
みんなで考え、実行していけば、
日本は、必ずや
新たな輝きを放つことができると信じています。

そして君たちも、
新しい国創りの一端を担っていってほしいと思います。

結びとなりますが、
保護者の皆様、
本日はお子様のご入学おめでとうございます。
中学校生活はわずか3年ではありますが、
大きな可能性に満ちた3年です。
ぜひ、保護者のみなさんとの信頼関係を積み重ねながら
3年間で、お子様が大きく成長できるよう
みなさんと一緒に、教育活動に邁進していきたいと思います。
よろしくお願いいたします。

また、ご来賓のみなさま、地域のみなさま。
本日、本校入学式にご臨席を賜りまして、
教職員を代表してお礼申しあげます。
“いいまちがいい学校をつくり、いい学校がいいまちをつくる”
の精神の下、
地域の皆さんとともに、
よりより学校づくりに励んでいく所存です。
今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

さぁ、新入生のみなさん、
後ろを見てください、
1年後、2年後には、この先輩たちを追い越せるように頑張ろう。
(さぁ、前を向いてください)

1年生、2年生、3年生、和田中全校生徒453名、
ひとり一人が思いっきり輝いてください。

そして、日本一、

いやいや世界一の

最高の中学を、みんなで創っていこう。

平成24年4月9日
杉並区立和田中学校 校長 代田昭久


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